新しい治療方法(ヒュミラ)

新しい治療方法(ヒュミラ)

外来通院

血液検査

定期的な外来通院でした。

突発的な下血があったので、少し不安でした。

診察前に血液検査を済ませて、最近ではいつもどおりの連絡通路で暇つぶしです。

ここで生まれて初めて入院をしたとき肝生検を担当した女性の先生が通りかかりました。

なんと、名指しでこっちに駆け寄ってきました。びっくり。

こちらは、患者サイドなのでよく覚えているものですが、まさか先生が覚えていてくれていたとは、本当に驚きです。

8年ぶりくらいにお会いしたので、いろいろ会話が膨らんでしまいましたが、先生のPHSが鳴ってしまい「また今度ね」とお別れでした。

色々お話ししたかったーーーー。

と、思っているうちに外来受付から借りていたポケベルが鳴りました。

いよいよ診察です。

「調子はどう?」

そう先生から切り出されて

「実は、1回派手な下血があったんですが、それ以降は調子いいですよ」

とお話しすると

「そうですか・・・。症状はあまり無いようけど数字が高いね」

という事でした。たしかにCRPも白血球数も高めでした。

カメラしようか

入院時の検査から半年経過した頃で、そろそろカメラしましょうかと打診されました。

UCの患者さんは、担当医の先生から年に1回はカメラしましょうと言われます。

それは、再燃を早く検知するため、癌化した場合に早期発見になるためです。

今回は、症状がどうのこうのではなく定期的な検査としてカメラをしましょう。という打診でした。

私もまた入院するような事はしたくないため、今回は折れて内視鏡検査の予約を入れる事にしました。

病気をしていて定期的な検査を受けているので、会社の健康診断も分かったような結果でヒヤヒヤするものではないのですが、忙しく検査に行けない人、定期的な検査を受ける機会が無い人は、是非受けてみる事をお勧めします。

2018年現在、大腸がんは「男性で3位」「女性で1位」である死亡率の疾患です。

しかし、早期発見・早期治療を行う事で進行する前に切除できれば助かる病気でもあるそうです。

是非、ご検討ください。

私の親戚でも、人間ドッグにオプションとして追加した事で早期発見できたので切除が一部で済み今でも元気にしています。

再燃する前に前衛的な治療をッ!!

数値が上昇傾向にある事から、再燃の兆しがあるという事でした。

もう再燃して入院なんてしたくないので、新しい治療を試してみる事にしました。

今回提示された治療方法は、ステロイド以外の治療方法でした。

完全に再燃している訳ではないため、早期的な寛解を要しているわけではありません。あくまでも、寛解維持を目的とした治療です。

A:レミケード(インフリキシマブ)
B:ヒュミラ(アダリムマブ)
C:シンポニー(ゴリムマブ)
D:プログラフ(タクロリムス)

プログラフは、正直「強力な免疫抑制作用」というパワーワードと薬剤の書類冒頭に書いてある警告に「副作用により致死的な経過をたどる事がある」という記載がありビビってしまいました。(他の薬剤添付文書も1行目ではないにしても書いてあるものはあります)

残る候補は、レミケード・ヒュミラ・シンポニーです。

抗TNFα抗体製剤として歴史の長いレミケードを選んでも良かったのですが、長期的に続けるとなると2ヶ月に1度1時間以上、点滴のみで病院にとどまらなければならないのは、ネックでした。

可能であれば、もう少し負担の少ない選択肢を取りたいと思い「ヒュミラ」を選ぶ事にしました。

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ヒュミラについて

特徴

ヒュミラとは、レミケードの後にUC適応となった製剤です。

TNFαという炎症の原因になるたんぱく質の活動をヒュミラが抑える事で、症状を改善して寛解・寛解維持を行うというものです。

潰瘍性大腸炎の他にも、クローン病、関節リウマチなど多くの病気に使われています。

レミケードがマウス由来成分のたんぱく質を持つのに対して、後発のヒュミラはヒト由来のたんぱく質しか含まれません。これにより、拒絶反応が少ないとされています。

投薬方法

2週間に1回の間隔で投薬が必要になります。

先生の許可があれば、自己投与も可能という、とても便利なお薬です。

お腹・太もも・二の腕のどこかに注射します。

自分で注射する事になれないうちは、補助器具を使う事をおすすめします。

体重や年齢等により際はあるかもしれませんが、初回は160㎎(40mgシリンジx4)2回目は80㎎(40㎎シリンジx2)を打ちます。それ以降は、40㎎(40㎎シリンジx1)を注射し続けます。

8週間の投薬で「50%が症状改善」「10%が寛解」という結果だそうです。

引用:潰瘍性大腸炎治療の選択肢 ヒュミラについて

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治療開始

1回目

ヒュミラを使う事が決まり、先生が薬剤部に手配してくれました。

少し時間がかかるので外来待合室で待機する事にしました。

採血は慣れているのですが、UCに対する注射の薬は初めてのなので、とても緊張していました。

Webで少し調べていると…

「痛い、とにかく痛い」

というblog記事を見つけてしまい、さらにビビってしまいました(; ・`д・´)

順番になり治療室に入ると、ベテランの看護師さんが対応してくれました。

「おぅ、具合、悪いんだって?」

いつもどおり軽い感じでした。私としてはありがたいです。

「前の再燃ほどじゃないんですが、数値が高くて…」

というわけで注射スタート。

自己注射ができるように、お作法をひとつづつ教わります。

キットを下敷きのようなものに並べて、揃っているかを確認します。

初めてなので打ちやすいお腹に打つことにしました。

ヒュミラの箱を開けて、補助器具にセットします。これは簡単。

打つ場所をアルコール綿で消毒します。これも簡単。

お腹の肉をつまんで補助器具を当てて細い針をさします。うん、まだ痛くない。

注射器を押して薬を入れていきます。怖いけど、、、あれ、そんな痛くない。

補助器具を開けて針を捨てます。おわり。

そうです、痛くないんです。

痛いと思ってましたと看護師さんに聞くと・・・

「そうそう、ヒュミラが新しくなってから痛くないらしいのよ」

ん??

前のヒュミラは、相当ゆっくりやらないと痛かったんだってさ」

ほー。不幸中の幸いとでも言いましょうか。時期的に恵まれていたようです。

というわけで初めてのヒュミラは、あっけなく終わりました。次は2週間後です。

2回目

1回目のヒュミラを終えて、2回目を行うために通院です。

先生いわく、注射から2-3日で効果が出てくるとの事でした。

2週間の効果というと、実感なしでした。

むしろ、なんか悪化してきた気もする…。

徐々にお腹が緩くなり、下血が無いにしても嫌な予感が漂っていました。

ちょうどこのタイミングで、風呂場の掃除をしていて足を滑らせて突き指をしてしましました。

いつもならば、長く見ても一晩経てば痛みが収まるのですがなぜか痛いままです。

いいえ、痛みが強くなってくるのです。

包帯をぐるぐるにして出社すると、同僚たちからは驚嘆の声。

「どしたの!?大丈夫!?」

結構痛みが強かったので、シップ+包帯で派手にぐるぐるでした。

先生に症状悪化と突き指の件を伝えると、

「関係ないとは思うけど…。一応検査しておこうか。」

この日はすでに採血が終わっていたので、検査室に残っている血液で抗核抗体の検査をしてもらう事になりました。

抗核抗体とは、自分に対する抗体の事です。この抗体が自分自身の皮膚や関節などを攻撃してしまうと「全身性エリテマトーデス」「関節リウマチ」「強皮症」などを引き起こす原因となります。

3回目となるはずでした

2回目のヒュミラから、2-3日で症状が少し悪化していきました。

少し不安になり予約なしで外来に行くことにしました。

効果が見られない事や、抗核抗体の検査結果が正常範囲の最大値の2倍以上であった事から、ヒュミラを中止せざるを得ないという結論になりました。

外来担当の先生が整形外科の先生に相談して、症状と血液検査の結果から「ループス様症候群」と診断されました。

ヒュミラの副作用でも、0.1% で起こるそうです。。。1000人に1人。。。

この日の採血結果としても、数値が悪化している事から、ヒュミラを中止にしてステロイドを外来で使用できる20㎎で、火消し・・・というかボヤ消しをする事にしました。

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